ローリング・ストーンズ　1960年代～2000年代

1960年ボーカルのミック・ジャガーとギターのキース・リチャ－ズという幼なじみが、偶然、地元の駅で再会する
ことで生まれた。二人とも、エルビス・プレスリーに触発され、特にブルースに傾倒したところであり、バンド活動
を開始した。二人は62年のロンドンで、ブライアン・ジョーンズを誘い、6月には自分たちを「ローリング・ストーンズ」
と命名する。ストーンズ誕生である。翌63年にはベースにビル・ワイマン、ドラムにチャーリー・ワッツを迎え、オリ
ジナル・メンバーがそろう。
彼らのサウンドは野卑で詩は反道徳的、衣装はバラバラ、髪伸び放題、素行もよろしくなく.、「きちん」としたビート
ルズに比べ、64年には「不良バンド」のレッテルが急速に広がる。だが、初アルバム「ザ・ローリング・ストーンズ」
はビートルズの「ウィズ・ザ・ビートルズ」に代わって全英1位を獲得する。
彼らの印象はテレビによって悪化。さらにライブ会場が異常な興奮を呼び騒動や暴力ざたが多発し”危険なバンド”
の烙印を押される。そして67年、キース宅に麻薬捜査が入り、ミック、キース、数ヵ月後にはブライアンが逮捕される。
結局、無罪や微罪判決を受け、次のシングルで留置場のおりが閉まる音を使うなど、反骨精神を貫く。68年には反戦
運動に参加するが、反戦曲が放送禁止になるなど体制による圧力も厳しくなる。
また自らが招いた試練も襲う。ドラッグ中毒のブライアンが自宅のプールで事故死。69年12月米国公演では、警備
担当の暴走族「ヘルス・エンジェルズ」が観衆の前で黒人青年を惨殺してしまう。
70年代に入ると、ストーンズは自主レーベルを設立し、今やシンボルとなった「あっかんベー」のマークを採用する。
デザインはアンディ・ウォーホル。73年には日本公演が企画されたが、逮捕歴が問題とされ、開催9日前に中止の憂
き目に遭う。
70年代末にはキースのドラッグ癖は重さを増し、音楽的にもパンクロックの台頭で逆風を受ける。が、ドラッグからの
更生を誓ったキースは「リチャード」から本名の「リチャ－ズ」に変更。80年代に入って、ジョギングを始めたミックなど
「健康な不良中年ロッカー」などのイメージまで登場する。そして90年1月「スティール・ホイールズ」ツアーで念願の初
来日公演が実現するのだった。95年には「ヴードゥ－・ラウンジ」ツアーで2度目、98年3月には「ブリッジ・トゥ・バビロン」
ツアーで3度目の来日を果たす。
”不良”ストーンズ？……40年の歴史を振り返ると、自由と音楽を求め続ける純な人間の集まりという姿が浮かぶ。
「いつまで続けるのか」という問いにミックは「威厳が維持できる間は歌う」、キースは「車椅子に乗っても」と答えて
いる。ストーンズは、最も大衆の心や生活に近い感覚を持ったスターでありロッカーであり不良であり「転がる石」な
のだ。